日本三大急登「黒戸尾根」から甲斐駒ヶ岳
[山域] 南アルプス [CT] 11時間19分 [距離] 18.8km [登り] 2,579m [下り] 2,574m [日程] 日帰り
こんにちは。kara(@karalog2018)です。
今年も早いものでもう12月ですね。毎年その年に登った山行記録をその年のうちにあげてしまおうと思うのですが、なかなか筆が進まない。今回のお話しもなんと去年2022年9月のお話です(呆)。
場所は「南アルプスの貴公子」こと甲斐駒ヶ岳。仙丈ヶ岳とセットで北沢峠から登るのが一般的ですかね。わたしも夏の時期に1回、GWあたりの残雪期に1回と登っていますが、今回はたまには別の場所から、またちょっとチャレンジングな場所からと言うことで黒戸尾根から登ってみました。
黒戸尾根は知る人ぞ知る「日本三大急登」のひとつです。①谷川岳の西黒尾根、②北アルプス烏帽子岳のブナ立尾根とあわせて「日本三大急登」と呼ばれています。
「急登」と名の付く通りとてもハードな急登の尾根。時間的余裕があるなら途中の七丈小屋に泊まるのがベストなのですが、なにを勘違いしたのか今回も日帰りでチャレンジしてきました。

02:23 AM 竹宇駒ヶ岳神社
02:26 AM 吊橋
02:39 AM 黒戸尾根登山道
南アルプスは富士山が良く見えますね

05:01 AM 刃渡り

鳳凰三山、うしろには富士山も

赤く染まる八ヶ岳

05:19 AM 刀利天狗。刀があります
だいぶ明るくなってきました
05:32 AM 木々の間から朝日
黒戸山から、ようやく見えた甲斐駒ヶ岳

尾白川渓谷~竹宇駒ヶ岳神社~黒戸山
日が昇る前、と言うか日を跨いで少し経った頃の2時23分、真っ暗な中、ヘッデン頼りに登山開始です。
スタート地点は尾白川渓谷から。車道を歩いて竹宇駒ヶ岳神社(ちくうこまがたけじんじゃ)へと向かいます。神社は脇を歩くこともできますが、今回はせっかくなので境内を突っ切って進んでみました。神社を越えたらすぐに吊り橋、渡ったら本格登山がはじまります。
最初は「甲斐駒ヶ岳」ではなく「黒戸山」から。三大急登「黒戸尾根」を登って行きます。しかし最初のポイント、「笹ノ平分岐」までは比較的緩やかな坂が続くのでウォーミングアップと言うことで慣らしていきましょう。
笹ノ平を越えたら次のポイントは「刃渡り」ですね。名前からするとすごい断崖絶壁を想像しますがそこまで絶壁ではありませんでした。ちなみにここまではずっと樹林帯だったのですが、ここ刃渡りで一旦途切れ、すばらしい八ヶ岳の展望が見えました。
刃渡りを越えたらまた(残念ながら)樹林帯に戻ります。さらに黒戸山山頂手前のポイント「刀利天狗」あたりになると傾斜があきらかに厳しくなって、メンタルが徐々に削られていきます。
急登登り切ったら黒戸山山頂!なはずなのですが、わたしは見事に見過ごしました(悲)。どこかに山頂に行くピンクテープなり印があるそうなのですが、わたしはまったく気が付きませんでした。正直よほどの物好きでない限り何度も黒戸尾根は歩く場所ではないと思うので、この1回で見ておきたかったですね、、
(私は見ていませんが)黒戸山山頂を越えたら五合目までは下りです。ここではじめて本日の目的地、甲斐駒ヶ岳の雄姿がチラリと見えます。ほかには五合目小屋跡(これは見れました)、レリーフなんてものもあるそうです(レリーフも見逃しました、、)。
五合目小屋跡から少し進むと屏風岩です。ここには小さな社があったり仏像があったりと一区切りつけるにはピッタリの場所。体力まだまだ余裕だよ!と思うアナタもここで休憩することを強くススメます。なんたってここから始まる急登、いや「急登」と呼ぶのは生ぬるい、「激登」とでも呼ぶのが良いのでしょうか、おかしな傾斜の登りがはじまりますから。
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屏風岩脇から先へと進む
黒戸尾根の本気の「激登」はじまります
途中にはこんな木橋もありました
06:21 AM 不動岩
不動岩そばにも剣ありました(甲斐駒は剣だらけですね)
角度がおかしい梯子です
直登ですなぁ
06:34 AM 七丈第一小屋
七丈小屋は2つに分かれているのですね
七丈第一小屋から第二小屋へ
06:36 AM 七丈第二小屋

七丈小屋で小休憩後、リスタート
07:19 AM 猿田彦命を祀る社
07:22 AM 法力不動明王の碑と剣
剣のうしろには黒戸山(結構登ってきましたねぇ)

「黒戸尾根の本気」続きます

上へ上へとどこまでも続く

屏風岩~七丈小屋~八合目御来迎場
屏風岩からは前述の通り、「黒戸尾根の本気」がはじまります。いままでの黒戸山の登りはなんだったの?!と言うくらいこちらを本気でつぶしにきます。
屏風岩からもけっこうキツイ登りがあるんですけどね、七丈小屋直前の登りなんて「これ?マジ?」と言うくらいの登りです。小屋をすぎてからは展望がようやくひらけるのですが、それがかえってシンドイと言う。先が見えちゃうんですよね、、これから登らなきゃならない道のりが(笑)。
とは言え悪いことばかりじゃありません。黒戸尾根の途中にある「八合目御来迎場」、ここからの甲斐駒ヶ岳はすばらしかった。この日は天気が最高に良かったというのもあって、「青い空」に「花崗岩の白」がほんとうに映えていましたよ。是非ともみなさんにも見てもらいたいものです。

大日大聖不動明王の碑と甲斐駒ヶ岳

八合目以降は甲斐駒ヶ岳が良く見えますね

ただしまだまだ激登続く。がんばりましょう

南アルプスの貴公子「甲斐駒ヶ岳」。うつくしいたたずまいです

続く鎖場、王子様はツンデレのようですね

右上の方に剣が見えてきた?(よく見るアノ剣?)
左手には摩利支天が見えますネ
急登!急登!急登続く
08:18 AM 黒戸尾根の二本剣(よく見るアノ剣)
二本剣と鳳凰三山。うしろにはちょこっと富士山も
二本剣が刺さった烏帽子岩、アップで
二本剣から甲斐駒ヶ岳山頂へ

巨石、奇石あふれる甲斐駒ヶ岳

花崗岩の白砂が緑と青にほんとうに映えます
いつか行ってみたい鋸岳(いつかな)
八ヶ岳方面。日向山はどこだろう?
引き続き、山頂へ

甲斐駒ヶ岳ビクトリーロード

山頂の社が見えてきました

甲斐駒ヶ岳山頂には大国主命が祀られている
駒嶽大神の碑の上にいるのはホシガラスかな?
08:55 AM 駒ヶ嶽神社本社
駒ヶ嶽神社からわらじの社へ
北沢峠方面、北岳は残念ながら雲の中
仙丈ヶ岳は良く見えました。雪のある季節に行きたいですね~
08:59 AM 甲斐駒ヶ岳
山頂標識も撮っておきましょう
甲斐駒ヶ岳山頂(標高2,697m)
八合目御来迎場から甲斐駒ヶ岳山頂まではコースタイムで1時間30分。結果としてはそこまで時間かかっていないのですが、ここまでの黒戸尾根の急登で疲れてしまって、かなり長く感じましたね、、
景色は最高なのですよ。振り返れば今まで登ってきた黒戸山や、鳳凰三山、うしろにはみんな大好き富士の山。眼前にはドドン!と甲斐駒ヶ岳。そびえたつ姿は本当にカッコいいの一言なのですが、カッコいいから「楽」ってわけではないようでして。
さらに上に行くほど大きな岩がゴロゴロと。普通に歩いて登れるなら楽なのですけどね。大きな岩の上にがんばって体を持ち上げながら、山頂までの道のりを進みます。
そしてようやくついた、甲斐駒ヶ岳山頂。当たり前ですが北沢峠から登ったものと同じ景色がそこにはありました。駒ヶ嶽神社本社にわらじの社。一等三角点もタッチ、しときましょうかね。
残念ながら山頂に着いた時には北岳の方は雲が出ていましたが、仙丈ヶ岳はバッチリでした。仙丈ヶ岳はいつか雪のあるときに登りたいのですけどね、今年も年末年始は営業しないのでしょうか。
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甲斐駒ヶ岳と言ったらな「わらじが奉納された祠」

わらじの祠から駒ヶ岳神社へ。下山開始です

摩利支天

09:17 AM 再びの駒ヶ嶽神社本社。ここにも剣がありますね
09:34 AM 二本剣と鳳凰三山
二本剣アップで。絶妙なバランスで立ってます(笑)
09:55 AM 八合目御来迎場
七丈小屋のテント場。さすがにこの時間はだれもいませんね
10:20 AM 七丈小屋
激坂を下る
木橋まで戻ってきました
10:53 AM 屏風岩
さすが信仰の山、石碑、石像がたくさんありますね
10:55 AM 五合目付近。下山道なのに「矢印上」って精神的に辛いです(ここから黒戸山への大きな登り返しがはじまります)

11:37 AM 刃渡り
12:18 PM 笹ノ平分岐
黒戸尾根登山道の標識まで無事下山です
13:16 PM 吊橋
13:17 PM 竹宇駒ヶ岳神社
13:21 PM 日向山登山口

信仰登山「甲斐駒ヶ岳」
登ったら降りる、これあたりまえ。黒戸尾根を下って行きましょう。長すぎる下りは膝にきますが、登りに比べれば大分楽ですよね。途中、屏風岩まで下りきって、黒戸山への下山道の「登り」があったときには心折れかけましたがなんとか最後まで歩ききれました。
ちなみにこの黒戸尾根からの甲斐駒ヶ岳は、山と高原地図ではトータルのコースタイムは14時間と30分。登りが9時間10分で下りが5時間30分と言う内訳です。日帰りでやる山ではあまりないですね(苦笑)。
今回は皇海山クラシックルート、谷川岳馬蹄形縦走とロングルートを続けて歩いてきた流れがあったのでチャレンジしてみましたが、万人に進められる「日帰り」コースではありません(素直に七丈小屋に泊まりましょう)。
そう言う意味で言うとこの黒戸尾根「甲斐駒ヶ岳」が山岳信仰、修験道と言うのも頷けますね。途中には、
- 二合目目黒白龍神馬止観音
- 三合目口ノ摩利支天
- 四合目刀利天狗
- 五合目屏風岩霊神碑三十六童子
- 六合目開山威力大聖不動明王
- 七合目七丈大瀧大権現
- 猿田彦命を祀る祠
- 法力不動明王の碑と剣
- 八合目御来迎場、大日大聖不動明王
- 烏帽子の2つの剣。岩の下に不動明王の石碑
- 御山頂駒ヶ岳神社本社
とたくさんの信仰にまつわるものがあるそうなので、次もし奇跡が起きてわたしがまた登る気になったら、ひとつひとつしっかりとたしかめてみようかな。
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