3月、残雪期の月山と積雪期限定の湯殿山登山
[山域] 東北 [CT] 9時間19分 [距離] 20.9km [登り] 1711m [下り] 1711m [日程] 日帰り
こんにちは。だいぶ雪解け進んできてますね。あと何回かは雪山登りたいところなのですが、なかなか週末天気がかみ合わず、悶々としているわたくしkara(@karalog2018)です。今回はそんなあまり登れていない今シーズンでもアタリだったときのお話ですね。3月上旬残雪期、志津温泉からの月山登山です。
正直に言いますと、月山は今シーズン雪山としては登る候補にあがっていませんでした。もちろん月山が良い山なのは重々承知なのですが、我が家からはいかんせん遠い(片道6時間)。簡単に行ける距離じゃない且つ、直近秋に登っていたので雪の時期に無理に登らなくとも良いのかなと。ですがTwitterで流れてきた白い月山を見た途端、居ても立っても居られなくなりまして(笑)。さらに調べてみると、出羽三山のひとつ「湯殿山(ゆどのさん)」には「積雪期限定で登れる」って言うじゃないですか。ちょうど天気も良いみたいだし、これはもう行くっきゃないですよね?と言うことで、単身山形、月山登りに行ってきました。
03:57 AM 志津駐車場からスタート
雪の回廊。ビル3階分くらいあるんじゃなかろうか
志津温泉から雪の回廊を通って月山姥沢
と言うことでおはようございます。今日は冒頭でご紹介した通り、積雪の月山、湯殿山を登ります。正確には途中「姥ヶ岳(うばがたけ)」と言う山があるので、月山~姥ヶ岳~湯殿山ですね。コースは大きく湯殿山から登るか月山から登るかで分かれるようですが、わたしはまずは月山の方から。
夏山で使った月山姥沢まで車でビューンと行きたいところですが、県道114号月山志津線はこの時期はまだ除雪されておらず閉鎖中。なので姥沢手前の月山志津温泉からのスタートとなります。姥沢までは、夏の登山道を通るルートですかね、もありそうですがわたしはなにも考えずひたすら114号線を登ってみました。4月10日のスキー場オープンに向けて、何台もの除雪機が停めてありましたよ。道は車道と言うこともあって迷うことはないです。ただし雪のないところは水が凍って滑るすべる。雪がある方が歩きやすいってやつですね。本格登山開始前に、転ばないようご注意ください。
ちなみにこの道、立山などと同じく「雪の回廊」と呼ばれているらしく、一番高いところでビル3階分くらいの高さがありました。のちにニュースになっていたのを見たのですが、9mの高さがあったみたいです。ほんと、雪ってあるところにはあるんですねぇ(しみじみ)。
月山観光開発株式会社は、株式会社ヤマコー、西川町、寒河江市の三社の出資会社で冬は、西川町民スキー場、春から夏には、月山ス…
日の出前。ビーナスベルト、月もキレイですね
06:22 AM 太陽がようやく見えてきました
06:55 AM 姥ヶ岳山頂
姥ヶ岳山頂(標高1,670.1m)
姥沢からは、またいくつか道が分かれます。①リフト下駅からリフト上駅、リフトの真下を通って姥ヶ岳へ進むルートと、②リフトを右手に見ながらの姥ヶ岳直登の尾根歩き。あとは③志津(姥沢小屋裏)口コースから牛首へと進む夏道とあるのですが、③は積雪期歩いたログは見つけられなかったので一般的ではないのかもしれませんね。
だいたいのみなさんが①、リフト下の道を使っているようです。わたしもはじめはリフト下を使うつもりだったのですが、姥沢からトレースに導かれるまま進んで行くと、あらまあ不思議、②のルートに進んでました(汗)。②のルートは尾根沿いの道なので迷うことはないのですが、休憩ポイントや目印になるものが一切なく、また月山は風が強いのか雪がまったくついていない。正確には足元は雪の道ではあるのですが、ガチガチ、ツルツルの固い雪。いちど滑ったらどこまでも落ちていきそうな場所なので、正直このルートはおすすめしません(①のリフト下をおすすめします)。
リフト下駅あたりから、姥ヶ岳山頂までは1時間とちょっと。ずっと尾根上を進んでいたので、先に見える月山が姥ヶ岳だとずっと思って遠いなぁと思いながら登っていました。しかし急に平らな場所にでて、あれこれはもしや?とGPSと地図を確認したところ、姥ヶ岳山頂到着していたと(笑)。姥ヶ岳山頂は夏山でも一度登ったことがあるのですが、湿原と木道が広がるたおやかな山頂。ですがこの時期はすべてが雪の下ですね。ただただ白い雪原でした(笑)。
姥ヶ岳から見た月山
柴灯森(さいとうもり)
柴灯森から見た景色。写真右の尾根は品倉尾根。品倉山に至る尾根かな?
こちらは先ほどまでいた姥ヶ岳と、あとで行きます湯殿山方面
牛首付近。志津(姥沢小屋裏)口コースとの合流地点
朝の月山。見事に逆光になってます(涙)
牛首からは急登です。たまに振り返っては絶景で癒す
鍛冶月光。社は雪に埋もれて見つけられませんでしたw
山頂到着。青い空と白い月山。ステキです
月山神社から見た頂上小屋方面
月山山頂(標高1,979.8m)
姥ヶ岳山頂からは、1,688mピーク、柴灯森(さいとうもり)、牛首と、ほぼ夏道通りに進んでいきます。姥ヶ岳山頂からは風がだんだんと強くなってきて、前日の方たちのトレースもきれいさっぱり消えていました。ここまでだれにも遭遇することなく登っていたので、ほんとうに無音・無色の静かな山行。
柴灯森あたりにくると、ここでようやく先人のトレースを発見しました。進行方向、月山の方をよ~く見てみると、先に登っている方がいる、「月山登る仲間が居たんだ!」とうれしくなった瞬間です。ちなみに柴灯森付近からは品倉尾根が伸びています。コチラ積雪期であれば、麓の湯殿山スキー場から品倉山経由でここまで登ってくることができるみたい。姥ヶ岳や湯殿山、月山等々、また違った角度から見てみるのも良さそうですね。
そして月山最後の急登、鍛冶月光ですが、社もなにもかもが雪の下に埋もれておりました。目印がまったくないのでどこから取り付くか悩むところですが、今回は先人にならって大きく右にトラバースしながらの迂回しながらの登りをチョイスしました。直登でも登れないことはないですが、気分的には急登でない分、楽に登れたんじゃなかろうか。
ようやくたどり着いた月山山頂は、広い空と白い雪原からなっていました。「思ったよりも凸凹しているなぁ」というのが正直な感想ですが、風が強いからかあまり雪がつかないのでしょうね。とは言え頂上山荘、月山神社はしっかり雪に埋もれていたので、さすが東北と言ったところでしょうか(なにかエラそうですねw)。
山頂しばらくすると、だんだんと春霞かな?かすみがちな空に。月山山頂からの鳥海山を楽しみにしてきたのですが、残念ながらほとんど見えず(涙)。夏山の時も雲に隠れていましたが、いつかはしっかり見たいものです(そしてあわよくば白い鳥海山にも登りたい)。
月山から湯殿山へ
鍛冶月光のシュカブラ
牛首~柴灯森~金姥~姥ヶ岳~湯殿山
何度も撮ってしまう魅惑の稜線
湯殿山、品倉山、どちらも行ってみたい!
体はひとつ、時間も有限。今回は湯殿山へと向かいましょう(品倉山はまたいつか)
まるで別世界。スケールがちょっと違いますよね(笑)
牛首から、逆光ではない月山もパシャリ
バックカントリーの方がひとり。どこの尾根をすべるのだろう
10:31 AM 再び姥ヶ岳山頂
月山の雪だるま
月山からは再び姥ヶ岳を目指します。下山する頃になると続々と人が登ってこられ(と言っても5名くらい)、うしろの湯殿山、品倉山へのすばらしい稜線もあいまって絵になること、絵になること。何人かの方とお話させて頂きましたが、とくに月山第一トンネルから登られたというnotchさんには湯殿山の登り共々、ほんとうにお世話になりました(notchさん越しの月山など写真撮らせて頂きました)。
写真と言えば忘れちゃいけない。「月山の雪だるま」です。山頂標識が雪に埋もれていたこともあって、月山、姥ヶ岳それぞれの山頂らしき場所に奉納させて頂きました(笑)。見つけてくれた方何名かからご連絡頂きましたが、ほんとうに毎度ありがとうございます(笑)。
スケールがほんとうに大きい月山と雪だるま。雪だるまのなんてちっぽけなことよ
姥ヶ岳の次は湯殿山へ。先行者のトレースに導かれながら(ありがとうございます)
だんだんと近づいてくる湯殿山(思ったより大きいですね)
それでは最後の登り、湯殿山。行ってきます!
月山を背に
ヒーヒー言いながら湯殿山山頂。だと思ったらまだあるみたい(遠くにひとだかり。アチラが山頂になりますね)
迫力満点!湯殿山からの月山
湯殿山には多数クラックありました。結構深いのでご注意を
湯殿山山頂(標高1,500m)
姥ヶ岳山頂からは、今回メインのひとつ、「積雪期限定の湯殿山(ゆどのさん)」。「ゆでんやま」ってずっと読んでいたのですが「ゆどのさん」なんですね。勉強になります。でその湯殿山ですが、雪のある季節だけ、姥ヶ岳山頂~湯殿山山頂、湯殿山山頂~志津温泉のルートが通れるようになるとのこと。
姥ヶ岳山頂から湯殿山山頂までは一旦大きく下っての登り返しで、一番下ったところは夏道で言う装束場、湯殿山神社に至る道の近くになるはずなのですが、いかんせん目印になるはずの施薬避難小屋含めて埋もれているのでまったく場所が特定できない。いつか夏道でここを通れと言うことでしょうかw。
装束場から湯殿山山頂は40分程度。最後の登りなのでだいぶ足に来ていましたが、うしろの姥ヶ岳、月山に背を押されながら、一歩一歩、なんとか登り切りました。ちなみに湯殿山は月山よりもだいぶ雪がとけてきていた印象です。何箇所か深いクラックもあったり、通行には十分ご注意を。
そして湯殿山はとても人気な山のようです。月山とは比べ物にならないくらいのたくさんの方、地元の方、BCの方が多いのかな?かなり山頂にぎわっていました(知る人ぞ知る、良い山ってことですね)。
湯殿山山頂から見た月山
湯殿山から志津温泉へ下山
これは気持ちよさそうですね~。うらやましい!
湯殿山への登りを振り返り見る
朝日連峰を見ながらの湯殿山の下山
3月、残雪というにはあまりにも真っ白な月山と、姥ヶ岳、湯殿山周回
湯殿山山頂からは一気に標高落とします。目の前には朝日連峰の山々が見えているのでそちら見ながらの下山になりますね。実は秋に朝日連峰登っていたのですが(まだブログには書いていませんが汗)、まだまだ山の名前はわかりませんなぁ。ぱっと見目立つあの山は、赤見堂岳というところかな?朝日連峰は以東岳も登ってみたいし行きたいところがたくさんありますね~。
急坂を下りきってからは、樹林帯、沢沿いの緩やかな下り。下りと言うかほぼフラットな道を延々と歩いて進んで行きます。建物、こちらはネイチャーセンターになるのかな?までくればあと少し。はじめの月山姥沢との分岐点(車道)に合流しますよ。車道から最後は志津温泉まで。プチ雪の回廊進んで下山となります。
と言うことで、月山~姥ヶ岳~湯殿山周回の山行でした。コースタイムは合計9時間と30分くらい。わたしは月山から登りましたが、どちらかと言うと最初に湯殿山から登られている方が多い印象でしたね。たしかに月山初めに登っても逆光なので、湯殿山からの方が良いのかもです。とは言え雪山にしてはロングコースになるので万人におすすめできるものではないのですが、3月、「残雪期」と言うにはあまりにも雪がたっぷり、あまりにも真っ白な月山を堪能できた良い山行となりました。
もう少し短いコースをという場合は、「志津温泉から湯殿山ピストン」おすすめします。月山ももちろんすばらしいのですが、湯殿山だけでも十分すばらしい。わたしも雪だるまを湯殿山山頂に奉納し忘れたのと、湯殿山神社の赤い鳥居を見逃したので(なんてこったい、下山後に見えること知りました)、またいつか登りに行きたいと思います。
雪山は先週の阿寺山・五龍岳・入道岳で満足したのでしばらくは初マラソン大会に向けてお休みかな。なんて思っていたのですが…