大キレット
[山域] 北アルプス [CT] 16時間38分 [距離] 40.5km [登り] 2,542m [下り] 2,541m [日程] 小屋泊
こんにちは。kara(@karalog2018)です。今回は2024年初投稿。だいぶ間が空いてしまいましたが、行きたい行きたいと言っていた「八峰キレット」「不帰ノ瞼(不帰キレット)」とともに日本三大キレットに数えられる「大キレット」の山行です。
登ったのは2022年の9月の半ば。紅葉少し早いかなと言う時期の山行ですね。長野県の「信州 山のグレーディング」によると体力度「9」、技術難易度「E」と言う場所なので、無理はせず1泊2日、小屋泊(南岳小屋泊)でいつものhirooneさんと登ってきました。
06:43 AM 上高地 河童橋
まずはいつもの上高地から槍沢へ
では早速今回のコースをご紹介。
1日目最初は上高地から槍沢を経て、槍ヶ岳へと向かうコースをなぞります。途中の天狗原分岐まで進んだら、そこからは氷河公園(天狗原)のコースへと道を曲がり、南岳山頂を目指します。南岳山頂からは直下にある南岳小屋までくだって1日目終了です。
2日目は今回の山行のメインイベント、南岳から大キレットを通って北穂高岳山頂へ。北穂高岳まで行ったらあとは下山です。涸沢、横尾と下山し、あとは来た道と同じルートで上高地まで。
本当は槍ヶ岳まで行ってから南岳や、北穂高岳を登ったあともそのまま奥穂高岳~ジャンダルム~西穂高岳までと「槍・穂高縦走」と行ってみたいところなのですが、そこまでの休みはとれません。
また大キレットははじめてですし、ジャンダルムについては計画すらまだ立てていないと、はじめてづくしでそこまでやるのもちと怖い(無謀)。大キレットのみをあくまで今回はターゲットにして、南岳~大キレット~北穂高岳と言うコースになりました。
大曲を越えて天狗原分岐へ
はじめての氷河公園(天狗原)の天狗池と逆さ槍
スタートの上高地(河童橋)から明神館~徳澤園~横尾~槍沢ロッヂ~ババ平のキャンプ場は割愛しますね。上の写真をご覧ください。
しいてなにか言うのであれば、「ここまでであせっちゃいけません」。平坦な道が多いので、絶景見たくて足早になりがちですが氷河公園(天狗原)からはじまる急登の尾根に備えて体力温存することをおすすめします。
氷河公園(天狗原)と言えば、見どころはやはり「天狗池」。そしてそこにうつる「逆さ槍」。あいにくわたしの天狗原デビューは雲が多くなってしまい槍が出たり隠れたりとなってしまいましたが(上高地では雲ひとつなかったのだけれど、おかしいな)、なんとかリフレクション、「逆さ槍」を撮ることができました。
みなさんが撮っている写真を見るともっと迫力ある一枚なのですが、天気のせいか、いやそもそも実力不足か。
氷河公園上にあるカール
ここからは急峻な登りが続きます。キツイ!
振り返ると横尾本谷の本谷カールとその先には屏風岩の頭が見えました
横尾尾根の終わり。槍ヶ岳、南岳、天狗原の分岐に到着
南岳まではコースタイムであと25分
対して中岳、大喰岳経由の槍ヶ岳までは3時間
14:45 PM 南岳山頂
南岳山頂(標高3,032.9m)
天狗池からは先述した通り急登がはじまります。岩が多い尾根道で、上にいくにつれ傾斜が増していきます。ちなみに今回のルートは途中から横尾尾根と言う尾根を登るのですが、そこにはバリエーションルートもつながるらしい(横尾本谷バリエーションルート)。
いつかのために「横尾本谷バリエーションルート」をメモっておくと、横尾から涸沢に向かう途中の本谷橋で正規ルートと別れ、沢沿いに進むと「北穂池の滝」があらわれる。さらに進むと南岳の獅子鼻などのアレート(氷河針峰)があり、「黄金平」があって「本谷カール」へ。その後「横尾尾根のコル」を経て氷河公園からの南岳へのルートと合流するそうです。
「黄金平」は紅葉の時期がすばらしく、また人もいない静かな山行も楽しめると言うことなので、いつか行けたら行ってみよう(最近この「行けたら行く」を連呼している気がします、ほんとうに行くのかな)。
キツイ「横尾尾根」を登り切れば、南岳、槍ヶ岳との分岐地点です。槍ヶ岳まではそこまで登りはなさそうな、気持ちの良さそうな稜線なのだけれど、コースタイムは3時間もあるのでこれはまた別日に取っておきましょう。
と言うことで、南岳へのビクトリーロード。30分かからないくらいのゆるやかな道を、山頂目指して登って行きます。
そしてスタートから8時間。ようやく着いた今回ひとつ目の山頂「南岳」の山頂。展望は北側には槍ヶ岳、南側には南岳小屋とみごとな穂高連峰が見える”はず”。
”はず” と言うのも、わたしのときはガスってきちゃったんですよね~。穂高岳は「なんか形はわかる。それっぽい」のですが、「見えた」と言うにはちょっと、ちょっとね。。
14:54 PM 南岳小屋。本日の山行は終了です
大キレットコース案内。明日はここを通ります
獅子鼻展望台へ。雲がキレイにとれてきました!
最高かよ・・・
穂高丸見え。北穂~奥穂~ジャンダルムまで
獅子鼻展望台、噂にたがわぬ絶景でした
南岳小屋。今日はこちらに宿泊です
南岳小屋と穂高岳。青空がうれしい
穂高岳のうしろには乗鞍岳も
もうそろそろ日の入りの時間
夕焼けの穂高岳。奥穂から赤くなってきましたね
常念平、安曇野方面もうっすらとピンク色に
似た写真ばかり撮ってしまう
雲海と夕焼けと
大キレットに雲がかかってきちゃいましたね。だがこれはこれでイイ!
苦手な縦構図でも1枚パシャリ
それにしてもスゴイ雲海ですね
お気に入りの一枚
1日目終了、南岳から見た穂高連峰
15時前に山小屋(南岳小屋)に到着。けっして早い時間の到着と言うわけではないのだけれど、1日の終わりと考えるとちと早い。
と言うことで、小屋で適当にゴロゴロしたあとは近くにある2つの展望台、「獅子鼻展望台」と「常念平」に足を運んでみました。すると日頃の行いが良いのでしょうか、だんだんと穂高岳にかかっていた雲がとれ、カッコいいお姿をあらわしたじゃありませんか!
テンション爆上げ、写真撮りまくり。正直南岳までは槍沢までは来たことがある道、氷河公園は雲、そこから先は急登で写真撮る余裕なし、であまり写真を撮っていなかったのですが、ここでいっきに枚数撮りました。
あとで見返すとほぼ同じ穂高岳の写真が量産されていただけなのですが、明日歩く大キレットに(雲がかかったりかからなかったり、これがまた良い!)、北穂高岳(北穂高小屋も見えている?)、奥穂高岳。あれは馬の背?ジャンダルムかな?前穂?明神?どっちかな?などなど、穂高岳丸見えだったのです。
その後日が暮れるまで写真を撮り、1日目は終了、おつかれさまでした。
05:16 AM 2日目の南岳小屋
常念平のほうが赤くなってきたので行ってみましょう
富士山見えた!得した気分ですw
獅子鼻展望台から大キレット。今日は雲はかかっていませんね(よしよし)
常念平から槍ヶ岳。槍はどこから見えてもカッコいい
ピンク色に染まった空と南岳小屋
この時間は最高ですね~
05:29 AM ご来光
朝焼けの大キレットと穂高連峰
赤から黄金色へ
それでは2日目登山開始です!
見納め、南岳小屋と南岳
大キレット、北穂高岳方面へ向かいましょう
太陽と大雲海
裏銀座の山々と槍ヶ岳
いよいよ大キレット開始です。最初は大きく下ります
浮石、ガレ石に気を付けて行きましょう
鎖場。このあたりからが大キレット最初の難所ですかね
南岳の南面、急坂です
わたしハシゴはちょっと怖いのです
南岳の急坂を下りきって。西側には笠ヶ岳、さらにうしろにはうっすら白山まで見えました
お次は長谷川ピークに向かいましょう
一旦来た道を振り返る。一番上の目立つ岩は獅子鼻岩ですかね
ちょっと雲が多いな~。でも風などはとくにないので良しとしますか
手前のピークが長谷川ピークかしら?
獅子鼻岩のうしろに丸い南岳が見えてきましたね
長谷川ピークとりつき。ここからまた登り始めます
長谷川ピークを登るhirooneさん
06:33 AM 長谷川ピーク
長谷川ピークから見た穂高岳方面。ここから次の難所はじまります
長谷川ピークから北穂高岳にはまず細尾根を下りましょう
どこを下るの?と言う場所が続きます。しっかり印を見ながら進んで行きましょう
結構高度感あるように見えますね(実際あります)
山場を越えて。一旦ここでひと休み
振り返ると手前にあるのは長谷川ピーク。うしろには南岳が
それではまたスタートしましょう。大キレットの難所は続きます
鎖場のあとは怖い木の板を渡ります
07:00 AM A沢のコル
コルからは怒涛の登りのはじまりはじまり。ここが「飛騨泣き」と言う場所ですかね
コルから長谷川ピーク(左手前)、南岳(右奥)を振り返る
飛騨泣き、北穂高岳のとりつきは落石注意
飛騨泣きからの長谷川ピーク。ぐんぐん標高あげていますねw
大キレット、長谷川ピークと南岳。右手のカールも圧巻ですね
景色を見ていたらhirooneさんがあんなところに。待って~
と言いながら絶景が続くので何度もシャッターをきる。縦構図練習中
北壁。まさに「壁」
ルート確認中・・・
雨がふったりツルツルだと怖そうなポイント。クサリがあって助かります
北穂高岳北壁、壮観です
この日はほとんどすれ違いはありませんでしたが、人が多いと大変そうですね
裏銀座の山々と大キレット。ちょっぴり槍も見えている?
北穂高岳北壁展望台ポイント
展望台より北壁
槍ヶ岳から続く東鎌尾根と表銀座の山々
展望台からは東側を巻くように進んで北穂高岳山頂へ
雲多いかな?と思いましたが良い感じの天気になってきましたね
「北ホあと200m」山ヤの言葉はあてにならない(信じられない)
北穂高小屋が見えてきた!大キレットも終盤です
歩いてきた道
07:50 AM 北穂高小屋
日本三大キレット「大切戸」
そしてついに始まる2日目の朝。いよいよ大キレットにチャレンジです。展望台から日の出を眺め、満を持してスタートしましょう。
コースタイムとしては南岳小屋から長谷川ピーク(Hピーク)までが1時間20分。Hピークから北穂高岳山頂までが2時間10分と合計3時間30分の道のりです。
まずは南岳からくだりましょう。浮き岩に気を付けながら、ガレ場の急坂をくだっていきます。途中垂直のハシゴが2つあるので高所恐怖症のひとにはきついかもですね。実はわたしもすこしその気がありまして、垂直のハシゴや断崖絶壁はヒュッと寒気がしちゃいます。
ハシゴを下り切ったら次はHピークに向けての登りです。Hピーク直下まではそこまで細尾根はなく難所はありませんが転ばぬようにご注意を(得てして事故はなんでもないような場所で起こりがち)。
Hピーク直下からはさすがに傾斜がキツくなり、また尾根もだんだんと細くなってきます。とは言えここも今までの延長線上、そこまでの難易度ではありません。岩登りに難儀しながらえっちらおっちら登って行くと、岩に「Hピーク」とありました。
大キレット本番、核心部はここからでした。長谷川ピーク、Hピークから北穂側への下りのところ。反対側とはうって変わってかなりの細尾根、高度感がある場所です。くさり、足場、目印があるので、しっかり見ながら、十分に気を付けながら進んでください。
なんとかそこを乗り切りA沢のコルまで下り切れば、あとはひたすら岩登り、「飛騨泣き」と言う最後の登り。最後の、と言っても1時間近く登ることになるのでここは体力温存しながら、集中力をもって進みましょう。
毎度言っていることなのですが、「自分が落ちないように」もありますが、「下に石を落とさないように」ご注意ください。
そして南岳小屋から2時間と4分。大キレットを越え、無事、北穂高小屋に到着です。
大きくコースタイムを巻けたのは、平日金曜日に南岳まで来て、土曜日早朝に大キレットを通ったのが功をなしたのでしょうか。ほとんど人とすれ違うこともなく、またこの日は無風、雨の気配もなかったのが良かったですね、安全に進むことができました。
大キレット、槍ヶ岳、表銀座
大キレット、槍ヶ岳、裏銀座
テッペンとったるどー
と言っても北穂高小屋から山頂はほんとにちょっと、なんですけどね
北穂高岳山頂(標高3,106m)
北穂高小屋から北穂高岳山頂までは徒歩1分。正確に測ったことはないのですがそのくらいと言っても過言ではないでしょう。
すくなくともどこぞの不動産サイトの駅から徒歩〇〇分よりはたしかです。山やあるある「あとちょっと」はあとちょっとではありませんが、ここはご安心してください、ほんとうです。
北穂高岳山頂に登ったら、今まで来た道、勝利の道。大キレットを見てやりましょう。北穂高岳山頂からなら槍ヶ岳まで見渡せます。ここは槍から歩いてきたなら感動もひとしおなのでしょうが、これはいつか・・・以下同文。
こんにちは。今回のブログは2021年のシルバーウィーク、岳沢から前穂高岳~奥穂高岳と登り穂高岳山荘に宿泊。翌日涸沢岳~北穂高岳と縦走してきたお話です。穂高岳と言えば、冬山で西穂独標に […][…]
北穂高岳からの下山
北穂高岳南峰、奥穂高岳
涸沢岳、奥穂高岳。穂高岳山荘もちょっぴり見えている?
奥穂高岳。右奥に見えているのは馬の背、ジャンダルムかな?
前穂高岳、吊尾根、奥穂高岳
飛行機雲。天気よ、もってくれてありがとう
前穂高岳と涸沢カール
涸沢ヒュッテ
ヒュッテ付近から見た涸沢小屋。紅葉ピークはもう少し先ですね
パノラマコースはいつかまた歩きたい(今回は普通に本谷橋経由で横尾)
このあたりも大分、歩きましたね~
北穂高岳から涸沢を経て上高地へ下山
北穂高岳からは、おととしだったかな?登った前穂~奥穂~涸沢岳~北穂縦走の時と同じルートで下山しました。
北穂高小屋のテント場(ずいぶん下にありますよね)を通って涸沢小屋、涸沢ヒュッテへ。あわよくば紅葉ピークの涸沢カールを見てやろうと画策していたのですが、なかなかうまく事は進まない。この時期の涸沢は何度かチャレンジしていますが、いつもピークより早めに来ちゃう。
涸沢からはパノラマコースではなく本谷橋を通って横尾に行きます。橋のところでは「横尾本谷バリエーションルート」に分岐しますが、実際に通った時はまだそのバリエーションルートの存在を知らなかったので、普通にスルーして通っちゃいました(次回は意識して見てみよう)。
横尾からそのあとは下界ですね。長くはありますが、舗装された安心・安全な道を帰りましょう。
と言うことで、写真多めになってしまいましたが今回は「ついに行けた!憧れの大キレット」のお話しでした。個人的には「あっさり行けちゃった」が正直なところなので、次は「ジャンダルム」狙ってみようかな~(個人の見解です)。
こんにちは。karaです。今回は2022年7月に登った北アルプスは西穂高岳の山行です。北アルプスの「穂高岳」と名前の付く山としては「西穂」、「奥穂」、 […][…]
今週金・土と憧れだった大キレットに行ってきました。本当なら槍登ってから、南岳→大キレット→北穂→奥穂までと縦走したい…