中房温泉から大天井岳
[山域] 北アルプス [CT] 14時間30分 [距離] 20.8km [登り] 2,288m [下り] 2,283m [日程] 日帰り
こんにちは。kara(@karalog2018)です。ひさびさのブログ更新はもうすぐ秋だと言うのに雪の残る5月後半、北アルプスは大天井岳(おてんしょうだけ)のお話です。
大天井岳を登るルート主にふたつ。ひとつは一ノ沢登山口、常念岳を経由して登るルートですね、ともうひとつは今回利用した中房温泉、表銀座のルートです。
本当は1泊2日、ないし2泊3日で表銀座の最後まで、槍ヶ岳を登頂して上高地に下山と行きたいところですが、なかなか時間のやりくりができず。せめて少しだけでも表銀座の空気を味わいたい言うことで、大天井岳までを日帰りピストンで登ってきました。
00:08 AM 中房温泉からスタートです
ナイトハイクで燕山荘
「大天井岳を日帰りピストン」と言いましたが、コースタイムは山と高原地図では14時間と50分。距離は15kmを越え、累積標高も2,000mを越えるなかなか長い山行です。普通なら大天井岳で一泊が良いのでしょうが、時間のやりとりが・・・以下省略。
と言うわけで早朝、と言うか日が変わってすぐスタートですね。まずは何度も登っている中房温泉から合戦小屋までの道のりです。ここは日本三大急登とのことですがこなれてきたと言うのもあって、とくに危なげもなく登ってこれました。
合戦小屋からはすこし雪がつきはじめ、チェーンスパイクを装着です。雪はしまっていたのでツボ足でも進めそうですが、まだ周りは真っ暗なので、安全第一で進みます。
合戦沢の頭あたりにくるとところどころ日が当たるからですかね、雪が少なくなって、燕山荘直下では雪が皆無に。つけたりはずしたり大変ですが、チェーンスパイクはここで脱ぎました。
想定よりもだいぶ巻いてしまって登山口から3時間30分くらいで燕山荘に到着。燕山荘からは未知の領域、初表銀座の稜線となるため明るくなるまで休憩としました。
結局ご来光まで1時間くらい待っていたのですが、雪はだいぶ減ったと言ってもまだあるところにはある状態なので、まあ寒いこと寒いこと。しかしやはり太陽って偉大ですよね。出てきた途端にあたたかくなってきました。
朝焼けの燕岳
槍ヶ岳まで続く遥かな稜線
燕岳を振り返り見る。こちら側から見る燕岳ははじめてです
大天井岳(左)と槍ヶ岳(右)
対岸には裏銀座の山々が見える
大下りノ頭から見た大天井岳(写真上)と槍ヶ岳(写真下)
燕山荘から大天井岳へ
時刻は4時39分。燕山荘からご来光を見にでてきたたくさんの人が徐々に少なくなってきたころ、わたしはついに、あこがれの表銀座縦走路へと足を踏み入れました。
「ここからはわたしの知らない世界。どんな景色が待っているのだろう!」
結論、最高の稜線、最高の時間となりました。槍を目指す表銀座の稜線は言わずもがな、対岸の裏銀座の展望もすばらしい。時間もバッチリでしたね。マジックアワーも最高ですが、日の出から1時間くらいのやわらかな日が射す時間帯、わたしほんとう大好きなのです。
途中では雷鳥さんとエンカウントするサプライズもあって、ひとり「やべぇ、こりゃヤバイよ・・・!」と独り言ちて歩いておりました(まわりにだれもいなくて良かった)。
06:09 AM 為右衛門吊岩
ひたすら登り大天井岳山頂へと向かいます
切通岩からは残雪のため夏道は使用せず直登。かなりキツイ登りです
07:40 AM 大天井岳山頂
大天井岳山頂から見た南側展望
大天井岳山頂(標高2,922.1m)
燕山荘から大天井岳の道のりは、大下りノ頭あたりまではゆるやかな稜線が続きます。目の前に見える槍ヶ岳や大天井岳をお楽しみください。
また途中にはカエルに見えない?蛙岩(げえろいわ)があります。奇石・巨石がところどころに点在する、この岩と砂の雰囲気はやはりと言いましょうか、お隣の燕岳に近しいものがありますね。
大下りノ頭を越えたら「がんばりましょう」。遠くに大天井岳の頂きが見えるのですが、ぐっと下って一気に登る。いやらしいところに雪がついていたりするのでこのあたりからは集中力・体力かなり使いましたね、、
ポイントとしては大下りノ頭を下りきって、鞍部からまた登り切ったところにある為右衛門吊岩(ためえもんのつりいわ)。うっかりしていると見逃しがちな場所で、また看板もないのでわたしもここかな?と言うところですが一応写真を撮ってみました。
それとここは目立ちます、切通岩。道がスパッと切られたような場所で、ハシゴが鞍部の前後に設置してあります。喜作レリーフはここにあるのでお見逃しないようご注意を。
切通岩からは大天井岳山頂を目指して登るわけですが、今回は残雪の時期だったので、通常の夏道は使えず山頂まで直登のコースをとりました。夏道はどうかわかりませんが、ここからは本当にきつかったです。
大天井岳から見た燕岳へと続く稜線
大天井岳を振り返り見る。けっこう下りましたね
日本二百名山「大天井岳」
とても雄大な景色です
燕岳がだいぶ近づいてきました
いつもと違うところから、燕岳を仰ぎ見る
小林喜作と喜作新道
大天井岳山頂からは、南にはふたつの稜線が続いています。ひとつは中天井岳、東天井岳、横通岳と続いて常念岳へと至る稜線。そしてもうひとつは憧れの続き、表銀座縦走路。喜作新道でもありますね、赤岩岳、西岳、東鎌尾根と続いて槍ヶ岳へと至る稜線です。
ちなみに喜作新道、「新道」とついているのでいつ頃できた道なのかしら?と気になって調べてみました。曰く
1920年(大正9年)秋 – 小林喜作らにより、中房温泉から槍ヶ岳に向かう当時最短ルートであった喜作新道が開設された。
引用:wikipedia
とのこと。小林喜作さんは「喜作レリーフ」のあの方ですね。殺生小屋(現在の殺生ヒュッテ)を開業した人でもあるそうです。ビックリしたのが喜作新道ができるまではじゃあどうやって槍ヶ岳に登っていたの?と言うところで、中房温泉、大天井岳からは
と言うコースを4日かけて登っていたんですって。1919年(大正8年)常念小屋ができてからは
と言うコースもできたみたいですが、なんともまあ。いやはや。ちなみに一ノ俣谷、二ノ俣谷が聞きなれないのでどこなのよ?と地図を見てみたところ、上高地、横尾から槍沢ロッヂに至る途中、右手にある沢がそれぞれ一ノ俣、二ノ俣でした。ああ、あそこから上高地に合流したんだ、と。
なんにせよ今みんなが歩いている東鎌尾根、表銀座の道を作った小林喜作さん、ほんとうに本当にスゴイ人ですね!(そらレリーフつくられるわ)。
どうせだから燕岳にも行ってみましょう
雷鳥と燕山荘(左の岩の上に雷鳥さん)
大天井岳と槍ヶ岳
花崗岩と砂の山「燕岳」
この景色大好きです。燕岳からの表銀座、槍ヶ岳
燕岳からの表銀座、槍ヶ岳(メガネ岩入りver)
大天井岳から歩いてきた稜線
岩と燕山荘
12:29 PM いつか泊まってみたいと言い続けている燕山荘
表銀座、次回は最後まで歩き切りたいですね
遥かなる槍へ、いつかは表銀座縦走路から
槍ヶ岳に至る道についてはその後も調べてみたわけですが、まあいろいろとありますね。以下Wikipediaから抜粋してみましたが、
- 東鎌尾根(表銀座ルート)
- 西鎌尾根(裏銀座ルート)
- 西鎌尾根(西銀座ダイヤモンドコース)
- 槍沢ルート
- 槍平・飛騨沢ルート
- わさび平ルート
- 槍穂高縦走ルート
これだけざっと出てきました。「槍沢ルート」は上高地からでしょうが、これだけとっても徳本峠を登るクラシックルートや通常の釜トンネルをバスで通るルートありますし、北鎌尾根もそう言えば、載ってないですね。そうそうはじめて槍ヶ岳登ったとされる播隆上人のルートもありますね(ここは今は通れない?)。
いずれにしてもまだまだたくさん楽しめそうです。まずは憧れの表銀座縦走路つかって歩いていって、槍ヶ岳の頂上に立ってみたいな!
GWに三重・奈良の百名山に登ったきりご無沙汰だった登山ですが、夏にむけて高山登ってみましょうか。と言うことで中房温泉…