越後三山の展望台「阿寺山」
[山域] 上信越 [CT] 12時間2分 [距離] 14.0km [登り] 1710m [下り] 1711m [日程] 日帰り
こんにちは。kara(@karalog2018)です。今回は3月上旬に登った新潟県南魚沼市にある阿寺山(あでらやま)の山行です。この阿寺山、八海山の南東に位置するお山で、山頂からは八海山~越後駒ヶ岳~中ノ岳と越後三山がまるっと見渡せます。何年も前から雪の季節に登りたい!とリスト上位に入れていた山なのですが、念願叶ってついに登ることができました。いや、ほんと良い山でした、阿寺山。もっとみんなに知ってもらいたい。でも知られてもほしくない(笑)。結局ブログに書いちゃったわけなのですが、それくらい伝えたい景色がそこら中にありました。
廃坑からは急登続き。阿寺山で日の出を迎えようと先へ先へと急ぎます
うしろを振り返ると左には巻機山、右は高倉山になるのかな?
前方左手には八海山も見えてきましたよ
阿寺山ビクトリーロード
阿寺山山頂(標高1,508.8m)
おはようございます。時刻は日の出前の02:56 AM。広堀川橋(ひろほりかわばし)駐車場から登山開始です。広堀川橋駐車場は関越自動車道・六日町ICから八海山スキー場へと向かい、広堀川を渡ったら右手、八ッ峰養魚方面へと向かい、さらに橋を渡れば到着ですね。
この時期はコチラの駐車場が最終除雪地点のようで、スタート地点から雪がモリモリ。今日はいつものアイゼンではなく、新アイテム「スノーシュー」を早速装着してみました(先々週に巻機山に登ったのですが、下山時雪がグズグズ、だいぶ足をとられて苦労したのです)。
阿寺山までの道のりは、最初の広堀川橋駐車場からは川沿いの林道をゆるやかに登っていきます。30分程登っていくと、山の麓、東邦亜鉛の廃坑道口(トンネル)がある場所に到着するのでここから本格登山開始です。阿寺山名物「ブナ林の急登」始まりますよ。
ブナ林の急登については暗いうちから登ったということもあり写真は撮っていませんが(汗)、ひたすらこれでもかというような尾根登りが続きます。左手にたまに見える八海山(八ツ峰)が心の癒しで、以外は景色もない樹林帯を延々と登ります(がんばりましょう)。
急登開始、廃坑から2時間ちょっとくらいでしょうか、阿寺山山頂近くになると、今までの樹林帯がウソのようにいっきに展望が開けてきました。先日降雪があったようで、踏み跡のない真っ白な雪や、日の出前特有の淡い空の色がなんとも言えない。いや本当、たまらんですなぁ。
日の出前。入道岳の頭がうっすらピンクに
下津川山から巻機山までの山々もだんだん染まってきましたね
阿寺の夜明け。2023年にふさわしく、兎岳のあたりからご来光です
モルゲンロート阿寺山
だいぶ色が落ち着いてきました。次は真っ白な八海山です
何度も撮ってしまう阿寺山から見た八海山
阿寺山の夜明け
阿寺山山頂からの展望は越後三山そろい踏み。まず山頂に登ると目に入るのは、とてもカッコいい中ノ岳。実はこの中ノ岳を越後駒ヶ岳と今のいままで勘違いしていたのは内緒です(順番的に、左から八海山~越後駒ヶ岳~中ノ岳と並んでいるのですが、”中”だけに間にあると思うじゃないですか・・・)。
中ノ岳からさらに右に視点をずらすと日のあがった兎岳(2023年は卯年なので縁起がなにか良いですね)。さらに右にずらしていけば、利根川の源流のある大水上山(おおみなかみやま)に丹後山など越後の山々続いていきます。
個人的に気になったのは、さらに視点を巻機山の左隣までずらしていったところにある、猫耳に見える2つのお山。なんでも「越後の雲ノ平」と刺さるキーワードのあるネコブ山への稜線だそうで、下津川山、小沢岳、ネコブ山と並んでいるそうですよ。
朝日のブーストもあって、この時点でおなかいっぱい満足しちゃいましたが、まだまだ先は長いのです。ようやくここで半分ってところですかね、今日はこのあと遠くに見える、八海山の一番高いところ(入道岳)まで登るのです。
樹氷と八海山、うつくしい
迫力満点!オカメノゾキ
越後駒ヶ岳、中ノ岳。足跡はテン?どこまでもトレース続いていました
南魚沼の街々。遠くには妙高あたりが見えているのかな
それではここから、五竜岳へと登り始めましょうか
っとその前に。五竜岳から見た阿寺山。こんな尾根を歩いてきました
ホイップクリームな入道岳(左)と五竜岳(右)
五竜岳ビクトリーロード
五竜岳山頂(標高1,585m)
今日の登山はひとり登山。いつものhirooneさんは今頃、東京マラソン走っているはず(まだスタート前?)。せっかくの絶景なので、だれかとわかち合いたいなぁ、なんて思っていたら、阿寺山山頂で先に到着していた Goさん、Yukiさん に声をかけて頂きました。一緒に日の出待ちしたと言うのもありますが、五竜岳途中まで一緒に歩いて行きましょう!と、ご一緒させて頂きました。いや本当、その節はありがとうございました。
阿寺山から五竜岳までは、一旦くだって再び登る。下りきったところですかね、本当は神生池や池塘などが点在しているようなのですが、写真でご覧の通りの真っ白けっけ。なにがあってもわかりません(笑)。ただひとつわたしにわかったことは、「ただただ最高!」それだけです。
五竜岳山頂、至る尾根からは、阿寺山以上に中ノ岳、越後駒ヶ岳が近づいてきます。とくに目を引いたのは、中ノ岳につながる険しい稜線。山と高原地図でも破線ルートになっているこの場所は、オカメノゾキと言うんですかね、荒山~出雲先~御月山~中ノ岳避難小屋~中ノ岳山頂までと続いているようです。雪の季節はさすがに無理ですが、無雪期の越後三山縦走の際にでも通ってみたい。
五竜岳山頂から見た八海山最高峰の入道岳
中ノ岳とそこに至る痩せた尾根
入道岳山頂直下の難所、雪庇を越えて。中ノ岳(左)と阿寺山(右)
10:28 AM 八海山(入道岳)山頂
入道岳山頂(標高1,778m)
五竜岳まではなんとか登ってこれました。「では入道岳までさあ行くぞ」とはすぐにわたしはならなくて。五竜岳から見上げる入道岳、八海山最高峰と言うこともあって、ものすごくキレイなのだけれど、ものすごく恐い。五竜岳までの登りもなかなかでしたが傾斜もさらに拍車がかかって、(スノーシューだけでここまで登ってきましたが)さすがにアイゼンに履き替えた方がいいのかな?等々。
あれこれ逡巡しているうちに、後続の方がさっと五竜にあらわれました。お話を聞くと、同じく入道に登られるとのこと。どうぞどうぞと先を譲って、わたしはその方のトレース、ありがたく使わせて頂きました(ほんとうに助かりました)。結果から言うと、傾斜の方は見た目ほどはひどくなく、普通に登って行けました。ただしアイゼンは足が埋もれすぎるので結局スノーシューに履き替えて、えっちらおっちら登ることに。
入道岳の登りの核心部は、山頂直下の雪庇越え。雪の状態によっては雪庇を避ける方法もあるのかもしれませんが、今回は階段(のようなもの)をつくりながらの雪庇越え。登るのもまあまあ怖かったのですが、下りは下が見えないので本当、緊張しましたね(十分、ご注意ください)。
入道岳山頂は、阿寺山などとは比べられませんが思った以上には広かったです。展望の方はと言いますと、八海山、わたしは未踏の八ツ峰越えての薬師岳方面の景色や、守門岳、浅草岳、飯豊連峰等々。名だたる名峰がずらりずらりと。
10:56 AM 下山開始。越後駒と中ノ岳の後ろには荒沢岳があるはず(裏越後三山)
入道岳から五竜岳へと
それでは最後、阿寺山まで戻りましょう(まだ登り返しあった・・・)
入道岳~五竜岳~阿寺山と下山
入道岳から五竜岳、登り返して阿寺山に、激坂くだって広堀川橋駐車場。言葉で書くと簡単ですが、わたしここは本当に苦労しました。どちらかと言うと登りより圧倒的に下りが早い人間なのですが、スノーシューの下りがダメ過ぎた。入道岳~五竜岳の下りは問題なし。阿寺山からの下りが本当にひどくて。のちのちの改善につなげるためにもメモっておくと、
- グズグズの雪の上をスノーシューで下るのが苦手
- 且つ、トレースの上を下るのが苦手
みたいです。新雪、だれのトレースもないところを下るのはグズグズでも平気なのですが、下手にトレースがついていたりするとまあ滑ることすべること。歩きなれていないからか、単純に疲れが足にきていたからか。両方ともな気もしますが下山はまだまだ、改善の余地がありそうです。
阿寺山の雪だるま
五竜岳の雪だるま(上)
入道岳の雪だるま(下)
八海山の雪だるま
最後、じゃないけど恒例のアレです。「阿寺山の雪だるま」、「五竜岳の雪だるま」、「入道岳の雪だるま」。まとめてこれだ!「八海山の雪だるま」です(笑)。本日も無事に、山頂に納品させて頂きました。何人もの方に愛でて頂いたようで、本当にありがとうございます。
一期一会、阿寺山
はい、これが本当の最後です。今回の山行では、本当にいろんな方に声をかけて頂きました。
- 先々週、巻機山の駐車場でお話ししたhana_solaさんたちと偶然の再開(その時は積雪期限定の巻機山の展望台「無黒山」に登られていたそうです)。
- 広堀川沿いの道でうしろからすごい速さでわたしを抜き去っていったひらりんさんとAZU_YUMIさん(すごい体力、見習いたいです)。
- 阿寺山山頂で声をかけて頂いて、五竜岳途中まで一緒に歩いたGoさん、Yukiさん。とくにGoさんには入道岳へと向かうわたしの写真も撮って頂きました(上の写真です)。
ほかにも、入道岳の登りを先行してくださった方や、入道岳山頂でご一緒した方(わたしのすぐうしろにいらした方)。ソロ登山でさみしい思いするのかな?なんて思っていましたが、絶景も相まってなんともステキな山行となりました(ありがとうございます)。
いつかいくぞと自分の中でメモしてあった阿寺山についに行くことができました。阿寺山まではうわさのとおりの急登続き。…